岐阜県中津川市にある「かしも明治座」は、130年の歴史のある芝居小屋です。
静かな山間に佇む「かしも明治座」は、歴史と文化が息づく日本の伝統劇場です。
明治時代に建てられたこの芝居小屋は、当時の建築様式をそのままに保存しつつ、地元の芸能や伝統芸術を支える重要な役割を果たしています。
訪れる人々をタイムスリップさせるかのようなその趣ある佇まいと、地域の人々が大切に守り続ける情熱が、この場所を特別なものにしています。
またこの「かしも明治座」は、歌舞伎の中村屋さんとのご縁があり、名誉館主として中村七之助さんが2015年に就任しています。
中村屋の芝居小屋巡業公演ではおなじみの場所となっています。
そんな「かしも明治座」についてご紹介します。
かしも明治座について
中津川市にあるかしも明治座は、地元の方によって運営されており、地歌舞伎やクラッシクコンサートなど定期的に行われ、イベントのないときは小屋の内部の見学ができます。
観光バスの見学コースにもなっていて、とても人気のある芝居小屋です。
かしも明治座の建物について
1894年(明治27年)建設 およそ130年前です。
廻り舞台、花道(仮花道もあり)、すっぽん、奈落があります。
平場にはあゆみと呼ばれる木の道があり、売り子さんが通るために使ったり、弁当を置いてたりして使います。
この舞台の水色の幕は、娘引幕と言われています。
かしも明治座を建設した時に、男性は力仕事で建設に携わることができましたが、女性は建設に携わることができないので何かできないかと考え、村の女性たちが出資して作られたものです。
130年前の引幕が綺麗に保管してあり、出資した娘さんたちの屋号や名前が染められています。
中京女子短期大学(現在の至学館大学)を創立した内木玉枝さん(桑原たまへ)の名前もあります。
志學館大学のレスリング部の方がかしも明治座に立ち寄ってくださることもあるそうです。
加子母明治座の屋根は、2015年に創建当時のくれぶき屋根が復元されました。
8万枚の板が敷き詰められ、その板を700個の石でおさえています。
後ほど紹介しますが、くれ板募金をするとこの加子母明治座の屋根の一部に自分のいたが使われますよ。
かしも明治座の内部の見学
かしも明治座は、内部を見学することができます。
案内人の方が面白く、楽しい時間を過ごすことができます。
楽屋や奈落も見学ができ、すっぽんから花道に出る体験ができます。
舞台にある裏の楽屋には、勘三郎さんや勘九郎さん、七之助さんのサインがあります。
現在は楽屋としては使われていませんが、楽屋として使われているところを想像すると楽しくなります。
坂本龍一さん、ジブリの鈴木敏夫さん、堤幸彦さんのサインもあります。
ワクワクする場所です。
かしも明治座の奈落です。
廻り舞台を使う時は手動で行っているそうです。
加子母明治座を見学したい場合は?
加子母明治座の内部を見学した場合は、事前に予約することをおすすめします。
個人で行く場合、予約なしでも受け入れていただけますが、予約が優先になりますので、待ち時間がある場合もあります。
また、イベント開催時は見学ができませんのでご注意ください。
休館日:月曜休館
(月曜日が祝日の場合は翌日が休館になります)
年末年始(12月29日〜1月3日)
入館料:個人の場合は無料、団体の場合は一人300円
※個人の場合は、くれ板維持補修基金(1口500円)の協力のお願いがあります。
500円で購入した板に名前を書いて寄付すると、次の屋根の修復の際に使用されます。自分の書いたものが屋根に使われると思うと嬉しいですね。
ガイドツアー見学所要時間:50分~60分程度
小道具も用意されているので、歌舞伎役者の気分が味わえるかも!
電話番号:0573-79-3611(限られた人数で管理しているため、繋がらない場合があります。)
かしも明治座お土産品
地元のお茶や、クリアファイルなど販売してます。
お勧めは、日本手ぬぐいです。娘引幕の図柄が印刷されていて素敵です。
色違い2枚購入しました。
かしも明治座名誉館主 中村七之助さん
名誉館主:中村七之助さん 2015年就任
七之助さんの知り合いのお店に飲みに行ったときに、お店のマスターから名誉館主になることを頼まれ、引き受けられたそうです。
かしも明治座と中村屋
2006年7月、勘九郎さん、七之助さんのお父さんである第十八代中村勘三郎さんの歌舞伎小屋で芝居をしたいという強い思いから、襲名披露公演が全国各地の芝居小屋で行われました。
その中のひとつとして、かしも明治座が選ばれました。
2006年7月23日十八代目中村勘三郎襲名披露(本朝廿四孝、身替座禅、義経千本桜すし屋)
年末の中村屋のテレビ番組では、住民の方が座布団を持参でかしも明治座に来る姿や、勘三郎さんが出番前に「近いねぇ、見やすいねぇ」と話している姿があります。
2017年11月3日 全国芝居小屋錦秋特別公演(歌舞伎塾、棒しばり、藤娘)
この公演に中村勘九郎さんの奥様愛さんと息子の勘太郎さん、長三郎さんが観劇に来ていました。
2人が舞台に上がり、三世代で舞台に立たせてもらったのはここが初めてですと勘九郎さんがおしゃっていました。
勘九郎さんはこの頃、大河ドラマいだてんの役作りのために会場周辺を走ってたそうです。
2015年に名誉館主に就任した中村七之助さん。名誉館主として初めて来たのは、この公演の時です。
2019年3月16日 中村七之助特別舞踊公演
芸談、汐汲、於染久松色読販「隅田川千種濡事(すみだがわちぐさのぬれごと)」
早替わりのタイミングで場内がざわざわとしていました。
2022年6月8日 中村屋鶴の子会公演
ふきよせ双六、歌舞伎じゅく、舞鶴三番叟
中村屋のお弟子さん6名中村鶴松さん、中村いてうさん、中村仲四郎さん、中村仲助さん、中村仲弥さん、中村仲侍さんによる公演
芝居小屋の雰囲気はほんとに素敵です。
2017年の公演で歌舞伎にはまりました。
2024中村屋巡業公演座席表
中村屋の巡業公演の座席表です。
座布団が並べられて、多くの人で埋め尽くされます。
この中で、中村屋の歌舞伎がみられるなんて、とても贅沢な空間です。
2024.4月の巡業公演は臨時運行バスがありました。
尾上右近さんも訪問!
尾上右近さんが2023年8月23日に訪問されました。
くれ板に「出たいです。いつ出られますか」というメッセージもありますので、右近さんが来てくださることもあるかも。楽しみです!
右近さんの鏡台は、中津川市の付知にある「木製オーダー家具 然(ZEN)」で製作されています。鏡台の関係で中津川市に足を運ばれたのかもしれませんね。
かしも明治座へのアクセス
自動車の場合:中津川ICよりおよそ40分 駐車場 60台分有り
バスは通っていますが、本数が少ないので、車やレンタカーで訪問するのをおすすめします。
まとめ
かしも明治座は、地元の方が運営に携わっており、地歌舞伎公演やクラッシクコンサートが行われるおよそ130年前の芝居小屋です。
名誉館主として中村七之助さんが就任され、見学もできますので出かけてみてくださいね。
わくわくする体験が待っています!
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