自然豊かなこの地にひっそりと佇む「東座」は、歴史と文化の温もりを感じられる特別な劇場です。
地域の人々によって守られてきたこの劇場は、伝統芸能の舞台としてだけでなく、訪れる人々に感動を与える場所として愛されています。
この「東座」の名誉館主は当代中村勘九郎さんです。
父の中村勘三郎さんが初代の名誉館主で、2013年に引き継ぎました。
勘三郎さんは、芝居小屋に特別な思いを寄せていて、勘三郎襲名披露公演の際に全国の芝居小屋を巡る公演をされました。
もちろん、襲名前からのご縁があるこの東座でも公演がありました。
東座の歴史
明治22年(1889年)建設 建設当初は舞台のみでした。
明治33年(1900年)客席が増設されました。
使用の減少化に伴い建物が老朽化して、取り壊しの危機がありましたが、保存会の設立や地元の活動により平成2年(1990年)に修復工事が始まりました。
その修復工事の時にたまたま近くに来ていた5代目勘九郎さん(勘三郎さん)が興味を示し、立ち寄りました。
そのご縁で平成3年(1991年)4月に5代目中村勘九郎さん(中村勘三郎さん)を招き修復記念公演が行われました。
5代目中村勘九郎さん(18代中村勘三郎さん)が東座名誉館主となりました。
勘三郎さんほんとに芝居小屋が大好きなんですね。
四国のこんぴら歌舞伎も勘三郎さんが中心となって復活させたという話は有名ですね。
さて、東座は、木造2階建て、廻り舞台、花道を備えています。
客席は収容人数600人。
毎年5月第3日曜日に「東座ふれあい公演」が開催されます。
天井に吊り下げている提灯には、中村屋の角切いちょうの紋がはいっているものもあります。
座布団には、角切いちょうの紋と黒川東座6代目中村勘九郎名誉館主の文字が入ったカバーがかけられています。
以前行われた中村屋さんの公演では、自由席になっていました。
並んだ順で前方の席に座れるので、長い列ができます。
名誉館主は中村勘九郎さん
1991年 初代名誉館主 中村勘三郎就任(※名誉館主に就任した時は、5代目中村勘九郎の時です)
2013年 2代目名誉館主 6代目中村勘九郎就任
東座での中村屋の公演
1991年4月 東座修復記念公演
2006年7月 十八代目中村勘三郎襲名披露公演(本朝廿四孝、身替座禅、義経千本桜すし屋※)
※本来の演目は()内なのですが、大道具が入らなかったため演目が変更され、連獅子の素踊りを踊っています。どの演目が変更になったのかはわかりませんでした。
空調設備が整わない場所での公演でしたので、お客さんがうちわであおいでいる様子や勘三郎さん、七之助さんが汗だくで踊っている映像が残っています。
2017年11月4日 全国芝居小屋錦秋特別公演(歌舞伎塾、棒しばり、藤娘)
2019年3月17日 中村七之助特別舞踊公演(芸談、汐汲、於染久色読販より隅田川千種濡事)
2022年6月11日 鶴の子会 中村屋のお弟子さんの中村鶴松さん、中村いてうさん、中村仲四郎さん、中村仲助さん、中村仲弥さん、中村仲侍さんによる公演(ふきよせ双六、歌舞伎じゅく、舞鶴三番叟)
中村鶴松さん公演前に東座の近くの家のお子さんや犬と遊んでいました。
以前公演に来た時の勘九郎さん、七之助さんのとても素敵な舞台写真が飾られていましたよ。欲しい~~~。
芝居小屋ならではの風景、おひねりが投げることができます。
おひねり用の紙が販売されていましたので、購入して小銭を包んでおひねりを投げました。どのタイミングで投げるのがどきどきしました。いい体験ができました。
アクセス
岐阜県加茂郡白川村黒川1584-2
美濃加茂ICより車でおよそ50分
恵那ICより車でおよそ40分
国道41号線白川口より県道70号線車で20分
恵那からの道路は狭い個所もあり、蛇行して山の中を通る印象です。
中津川市の加子母まで行き、万賀の交差点を左折して行くと道幅も広くて運転していても楽でした。
まとめ
岐阜県東白川にある東座は、中村勘九郎さんが名誉館主を務める歴史のある芝居小屋です。
小屋の中には、中村屋さんの提灯や座布団もあり、中村屋贔屓には嬉しい場所です。
毎年5月には地歌舞伎の公演があり、他にもイベントが開催されています。
中村屋さんとゆかりのある芝居小屋東座は、とても雰囲気の良いところです。
ぜひ一度お出かけくださいね。
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