奈良・桜井にある大神神社(おおみわじんじゃ)は、日本でも最も古い神社のひとつとして知られています。
社殿を持たず、背後にそびえる三輪山そのものを神体とする神聖な場所。
古代から人々が祈りを捧げてきたこの山に、11月、初めて登拝(とうはい)しました。
鳥の声と風の音だけが響く森の中を、ゆっくりと一歩ずつ進みながら、自然と自分の心が静まっていくのを感じました。
登拝中は撮影や飲食が禁止され、ただ歩くことに集中する時間。
華やかな観光ではなく、心を整える“祈りの時間”です。
この記事では、実際に三輪山を登拝した体験をもとに、山の雰囲気や服装のポイント、登拝の流れや周辺のおすすめスポットを紹介します。

三輪山とは?大神神社の神体山を歩く
ご神体は社殿の奥にそびえる「三輪山(みわやま)」そのものです。
古代から神が鎮まる山として信仰され、登拝は「神さまと直接ふれあう祈りの道」とも呼ばれています。
私が前回訪れたのが2015年3月。
大神神社の参拝に訪れた時に、三輪山に登拝することができることを知り、次回来るときには、三輪山に登ってみたいと思っていて、今回およそ10年後に念願がかなったのでした。
11月初旬、澄んだ空気が心地よい日。境内は多くの人が参拝していました。
登拝の受付とルール|狭井神社で心を整える

三輪山の登拝は、大神神社の摂社「狭井(さい)神社」で受付を行います。
申込書に名前と住所などの必要事項を記入し、挟井神社横にある受付場所に提出します。
登拝料をお支払いし、登拝者に授けられる「三輪山参拝証」と、記入した申込書の2枚目の用紙を受け取ります。
この用紙は、下山報告用の用紙になりますので、下山した際にこの用紙と三輪山参拝証をお返しすることになります。
参拝証は、首にかけ登拝します。
登拝が初めての人には、神社の方が説明してくださいます。
登拝中は撮影や飲食、会話が禁止されています。※水分補給はOKです。
神の山に足を踏み入れるという意識をもって、静かに歩くことが大切です。
鳥の声や風の音、枯れ葉を踏む音──自然の音だけが耳に届き、心がゆっくりと静まっていくのを感じました。
三輪山登拝の道のり|神聖な森を進む

このしめ縄以降は、撮影禁止になります。
お祓いをしてから登拝します。
登拝道は、緩やかな個所と勾配がきつい箇所があります。
道はよく整備されていますが、山道ということもあり、階段の高さが違っていたり、木の根があったりします。
普段から登山をしている方は、なんてこともない道かもしれませんが、正直なところ、景色を見る余裕もなく、休み休み行かないと息が切れて登ることができませんでした。
またこの日は、前日雨が降り、石が滑りやすく、ぬかるんだ場所もありました。
裸足で登拝している方もいましたので、驚きました。
山頂「奥津磐座」
山頂の奥津磐座はとても厳かな雰囲気。
瞑想している方もお見かけしました。
とても神聖な場所。
三輪山に登拝できたことにただただ感謝です。
登拝後のお楽しみ 名水と三輪そうめん

下山後は、狭井神社の「薬井戸(くすりいど)」の名水をいただきましょう。
古くから“病を癒す水”として信仰されており、ペットボトルで持ち帰る人も多く見かけます。
お水をいただくと、とても飲み口がやわらかいお水でした。
登拝の後の癒しとなりました。
登拝で身体を動かした後は、三輪そうめん。
駐車場へ行くまでの間に、三輪そうめんを扱っているお店が何件もあります。
三輪そうめんをいただいたのは「三輪そうめん流し 乾製麺所」
釜めしセットをいただきました。
流しそうめん、大人ですがとてもうれしくなり楽しみました。
そうめん、釜めしとも美味しくいただきました。

※この写真の素麺は2人前です。

三輪山登拝の服装と持ち物
これから登拝する方に向けて、11月の登拝におすすめの服装をまとめます。
上着:シャツやトレーナー、寒さ対策のための薄手のダウンやウィンドブレーカー
インナー:長袖の吸湿速乾素材
ボトムス:動きやすい長ズボン(ジーンズは避ける)
靴:滑りにくいトレッキングシューズまたはスニーカー
持ち物:ペットボトル1本、タオル、ティッシュなど
登りの際は、勾配がきつく、汗をかき体があつくなりました。
長袖シャツとトレーナーで臨みましたが、トレーナーは脱ぎ、長袖シャツ1枚でウインドブレーカーは出番がありませんでした。
下山の際は、長袖シャツでは肌寒く感じたので、トレーナーを着用しました。
11月の上旬と下旬では温度差もあり、山の上では寒さを感じることもあるので寒さ対策はしっかりとしたほうがいいと思います。
山中にはトイレや自販機はなく、飲食は禁止(※水分補給は可能)です。
登拝前に準備を整え、心静かに歩くことが大切です。
受付は朝9時〜12時。15時までに下山する必要があります。(季節によって変動があります)
所要時間は往復約2〜3時間。
私は、11時10分から登り始め、下山したのは13時30分でした。
体力に不安がある方は、杖を借りることができます。
無理せず、自分の体調に気を付けながら登拝してくださいね。

まとめ 三輪山登拝で出会う「清らかな時間」
大神神社の三輪山登拝は、観光ではなく“心の旅”と呼びたくなる体験です。
一歩一歩を重ねるたび、自然と一体になるような感覚が訪れ、下山したあともその静けさが心に残ります。
これから訪れる方は、ルールを守り、感謝の気持ちで山に入ることを忘れずに。
秋の三輪山は、柔らかな光と澄んだ空気に満ちています。
ぜひ、心を整えるひとときを味わいに出かけてみてください。

コメント